最近では若い女性にも多いとされる水虫。じつは爪にも水虫があることをご存知ですか? 日本人の10人に1人がかかっている1)という爪水虫。そのほとんどが痛みなどを感じませんが、爪がボロボロになってしまうため、ペディキュアを楽しむことができません。また、とても稀ではありますが、手の爪に感染する場合も…。今回は、爪水虫の原因と予防策をお伝えします。
爪水虫とは、読んで字の如く、爪の水虫です。爪白癬(つめはくせん)とも呼ばれています。そのほとんどが足の爪(特に親指)に症状があらわれます。誰にでもかかる可能性がある身近な病気で、じつに日本人の約10人に1人が爪水虫に感染しているというデータも。
爪水虫の症状としては
といったものがあげられます。爪には神経がないので、特に痛みなどを感じません。また、足水虫と違ってかゆみもないため、気づきにくいのが難点です。
しかも、放置しておくと症状はどんどん悪化。ほかの指の爪にまで広がる可能性もあります。また、爪の状態が悪くなりすぎると痛みを伴うようになり、転倒しやすくなったり、歩くことが困難になる恐れも。できるだけはやく医療機関を受診し、適切な治療をすることが大切です。
爪水虫は、足水虫と同じ白癬菌(はくせんきん)というカビの一種に感染することで起こります。多くの場合、足に感染した白癬菌が爪に入り込むことで爪水虫に。その証拠として、足水虫にかかっている人のうち、2人に1人が爪水虫にもかかっているといわれています。2)
足水虫が治っても、爪水虫が残っていると、そこからまた足に感染します。その逆も然り。つまり、足水虫と爪水虫の両方をしっかり治さない限り、再発する可能性が高いと言えます。
爪水虫は、さまざまな場所で感染するリスクがあります。たとえば、家族の中で足水虫または爪水虫に感染している人がいる場合、バスマットやスリッパなどを共有していると、そこから感染する可能性があります。また、不特定多数の人が利用する大浴場やサウナ、フィットネスジムなども要注意です。
爪水虫の予防法としては、とにかく足を清潔に保つことが第一。指の間までくまなく洗いましょう。
家族の中の誰かが白癬菌に感染している場合は、バスマットやスリッパなどを共用するのは避けましょう。絨毯などからも感染します。洗えるマット類はこまめに洗濯し、洗濯できないものは天日干しをするなどが効果的です。部屋の掃除をこまめに心がけ、清潔を保ちましょう。
爪水虫は、感染している爪が綺麗に生え変わるまで完治したとは言えず、根気よく治療を続ける必要があります。最低でも1年~1年半はかかると見ておいたほうがいいでしょう。爪水虫の症状は、素人目には判断がつきにくいため、少しでもおかしいな?と思うことがあれば、医療機関を受診することをおすすめします。美しい爪は日々のケアから。夏でも自信を持ってサンダルが履けるように、手だけでなく、ぜひ足の爪もチェックしてみてくださいね。
1)仲 弥ほか. 日臨皮会誌. 26(1); 27-36, 2009.
2)渡辺 晋一ほか. 日皮会誌. 111(14); 2101-2112, 2001